【ブランディングジュエリー vol.1】お母さまの形見のパール

メンズジュエリー「gian」

デザイナーの田中友美です。

 

今回はある男性がお母さまの形見のパールを用いて
作ったオーダージュエリーのお話です。

 

 

 

 

 

お母さまの形見のジュエリー

 

 

ある男性の方から、
「母の形見のジュエリーがあるんだけど見てもらえる?」
との事でサロンまでお越し頂きました。

 

たいていの人はジュエリーを見ても価値は分かりません。

 

このまま持っていても良いものなのか?

または売ってしまっても良いものなのか?

 

ダイヤモンドといってもピンキリです。

 

ある程度のカラット数がないと、ダイヤモンドは
悲しいことに”ただ同然”で買い取られてしまいます。

 

 

希少な石を除いて、色石もほとんど値がつかず、
地金分だけの買取となってしまうでしょう。

 

譲り受けたジュエリーをお持ちの方は近くの質屋に行くのではなく、
ジュエリーに詳しい方にご相談ください。

 

世間でいう価値はないかもしれませんが、
亡くなられた方とのかけがえのない思い出が
その形見のジュエリーには残されているからです。

 

手放す前に、「身に着けられる形で残すこと」を考えらるのも
一つの選択肢だと思います。

 

 

さて話は戻りますが、こちらの男性、

「形見のジュエリーの中で、自分も身に着けられるものはないかな?」

との相談でした。

 

お母さまが亡くなられてからまだ数ヶ月。

 

とても優しく、大好きだったお母さまの形見を身に着けたいという思いがあり、
本当に素敵なお母さまだったのだろう…とこちらも心が温かくなりました。

 

お持ち頂いた形見の中で私がお薦めしたものは”パール”でした。

 

デザインが良いものはたくさんありますが、
私は提案したいジュエリーは

 

その人らしいデザインであること

 

オンリーワンジュエリー”

 

です。

 

 

その方のビジネスや趣味はもちろんですが、

 

その方がどんな人生を歩んで来たのか?

またどんな人生を歩みたいのか?

 

ヒアリングしていくと、その人の価値感が見えてきます。

 

その人を表す形やモチーフを考え、デザインしたジュエリーが
私が提案する「ブランディングジュエリー」です。

 

この人を思い浮かべると”羽”のモチーフが浮かんできました。

 

『好きなものや人に囲まれ、好きなことをするという生き方、

枠にとらわれず、とても自由な生き方。

鳥のようにどこにでも羽ばたいていく…』

 

そんなイメージが降りてきました。

 

 

 

提案したデザインとお母さまとの繋がり

 

 

羽とパール。

 

どう組み合わせたらいいか?

羽はすぐ閃いたものの、デザインをまとめるのに
40~50くらい描きました。

 

 

 

「これしかない!」と、
2~3案で完成する時もありますが今回は苦戦です…。

 

お客様にご提案する時は2~3案のデザインを出しますが、
ほとんどの場合、心の中では1つに絞られていて提案しています。

 

今回は羽のモチーフと違うデザインの3案を出しましたが、
「母が亡くなる前にしてたジュエリーとそっくりだったのでびっくりした…」
と返ってきたのですが、そのそっくりだったのが「羽のデザイン」です。

 

「本当は違うデザインがいいと思ってたんだけど、母の事を考えて…
やはり羽のデザインで進めてください」とこちらに決まりました。

 

 

 

 

このように「ブランディングジュエリー」は詳しくヒアリングさせて頂き、
その人を象徴するデザインをご提案しています。

 

今回はお母さまの形見のジュエリーを用いてのオーダージュエリーでしたが、
男性もこのようにお母さまの形見を身に着けていたら素敵ですよね。

 

 

お母さまもきっと喜ばれていると思います。